日本木材加工技術協会 会長就任にあたって
2026年6月15日に第16代の日本木材加工技術協会会長に就任致しました国立大学法人宇都宮大学の中島です。1948年に発足しました歴史ある日本木材加工技術協会の会長を拝任し、大きな責任を感じますとともに、協会の持続的な発展に微力ながらお力になれればと思っております。会員の皆様方には、日頃より日本木材加工技術協会の活動並びに運営に多大なご協力とご尽力を賜り、心より感謝申し上げます。また、今後とも引き続きお力添えのほど何卒どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、前述のように当協会は1948年に発足し、これから2年後の2028年には創立80周年を迎えます。当協会では、この約80年の間に、北海道支部と関西支部(1948年設立)、中部支部(1952年設立)、九州支部(1961年設立)、中国支部(1987年設立)の5つの支部を順次設立し、全国にまたがる重要なネットワークを構築してきました。また、木材接着士、木材乾燥士、木材切削士、構造用集成材管理士の4つの技術資格の認定を行い、木材加工に関わる人材を育成するとともに、木材並びに木質材料に関わる業務の適正化を支援し、木材製品の品質の安定に寄与してきました。長きにわたり技術資格の認定を行ってくることができましたのは、ひとえに各支部のみなさま、並びに、関係者のみなさま方のご尽力によるものと感謝申し上げます。
一方で、当協会では、木材加工に関わる各専門分野について、関連業界団体と連携を取りながら様々な活動を行うための部会を設けています。合板部会(1955年設立)、保存部会(1955年設立)、製材木工部会(1956年設立)、床板部会(1961年設立、2006年に木質仕上げ部会に改名)、集成材部会(1969年設立)、木質ボード部会(1992年設立)、木材・プラスチック複合材部会(2006年設立)の7つの部会です。各部会の部会長、並びに、委員及び関連業界のみなさま方の積極的なお取り組みにより、木材加工に関わる有益な情報を発信するとともに、各分野の発展に大きく貢献してきております。
情報発信に関しましては、当協会では機関誌「木材工業」を1936年4月に創刊し、2026年6月に通算951号を発刊しました。「木材工業」は年12回、毎月発刊しており、約4年後には1000号の発刊を行うことになります。1936年の創刊以来、今日まで継続的に年12回の発刊を行い、有益な情報の発信できておりますのは、歴代の編集委員長、並びに、編集委員のみなさま方のご尽力によるものです。
木材・木質材料を取り巻く社会的な状況は四半世紀年前とは大きく異なってきています。建築について見ると、20年ほど前までは一つの目指すべき方向であった木造(併用構造も含む)による中高層の建物が、現実のものとなって建てられています。また、戦後植林した針葉樹が伐期を迎え、間伐から主伐へと施業の方法が変化するとともに、大径材の加工などの新たな課題も生じています。一方で、京都議定書が締結された1997年当時に比べると地球環境は人間にとってより厳しいものとなっています。温室効果ガスの排出抑制に向けた取り組みはこれまで以上に重要になってきており、関連する制度などが今後、社会実装されます。
社会状況が大きく変化する時代にあって、当協会が積み上げてきた知見や技術などは、協会の財産であり社会の財産でもあります。木材・木質材料を使うことの環境的な意義がますます高くなるなかで、木材製品の加工と利用に関する技術普及と啓発を行う我が国の中核的な組織である木材加工技術協会の役割が今後益々高くなるものと思います。会員をはじめ、関係者のみなさま方と力を合わせて、当協会のプレゼンスを示し、歴代の会長が築き上げてきました礎に次の時代につながる部分を付加できればと思います。皆様のご鞭撻を頂けますよう何卒どうぞよろしくお願い申し上げます。
2026年6月15日記す








